優しさって難しい

 

 

隣のレジから聞こえてきた。

 

ピクミンのぬいぐるみはありませんか?」

 

お店にはなかった。

 

4歳と同じぐらいの女の子と手を繋いだお母さんだった。

 

私は思わず追いかけて、

 

「駄菓子屋さんの隣のお店にありますよ。」

 

と、お節介をした。

 

「ありがとうございます。」

 

と嬉しそうにお礼を言われた。

 

私は同時に不安になった。

 

この前はあったけど今日はなかったらどうしよう。

 

ちょうど駄菓子屋さんの隣のお店の前を通る。

 

目視で確認したらぬいぐるみがあった場所にピクミンがいなかった。

 

手を繋いだ親子もそのお店にいるのが見えた。

 

私は歩きながら見ただけだったので、

 

そのお店に入ってまた親子に声をかけることはできなかった。

 

罪悪感。

 

話しかけるんじゃなかった。

 

あるって言ったのになかった。

 

もやもや。かなしい。申し訳ない。

 

どうしてわざわざ追いかけて不確かな情報を教えてしまったんだー。

 

今日も病院でマスクをしてほしいと受付で言われて遠い駐車場まで取りに行くと伝えたおじいちゃんに「あそこで2100円で売ってますよ。」と言うべきか悩んだ。

 

だけど、

 

ピクミン事件が頭によぎり

声をかけるのをやめた。

 

お金をわざわざ払うことも嫌だろうと思ったから。でも駐車場も遠い。

 

もやもや。

 

優しさって難しい。